お寿司では高級ネタとして人気のウニ。あの香しく美味しい身は、実は生殖巣。
私たちウニゼミがいつもお世話になっている器官なのです。
そんなウニの生態についてゼミ1期生の山田康雄さんがご寄稿くださいました。
どうぞお楽しみください。
「ウニ」と聞くと何を思い浮かべるでしょう。寿司ネタや海鮮丼に盛られた、とろけるような生ウニの味は、まさに絶品です。ウニはカラスミ(ボラの卵巣)、コノワタ(ナマコの腸)などと並び、三大珍味ともいわれます。日本のウニの消費量は世界一です。
世界には約950種のウニが生息しており、日本近海には約160種が生息しています。そのうち食用は十数種で「バフンウニ」「エゾバフンウニ」「ムラサキウニ」「キタムラサキウニ」などが良く食べられています。それでいながら、ウニの生態はあまり知られていません。
黒くて鋭い棘を持ち、海の中のハリネズミ(sea urchin)のようで、刺されると痛いうえに硬い棘が折れて体に残ったりするので嫌われるのでしょうか。しかし、この棘を全部取ってしまうと、左の写真のように五放射の美しい模様を持った殻が現れます。
動物は一般的に細長く、口が先頭にあり、体は左右対称ですが、ウニは中心の軸の周りに五つの同一の構造が、放射状に配列した五放射相称です。これが棘皮動物門(ウニ、ヒトデ等)の特徴です。他の動物で五放射相称のものはほとんどいません。植物ではサクラ、ウメ、アサガオなど花弁が5枚ある五放射相称の花も多く、棘皮動物門と何か関係があるのか、興味は尽きません。

ウニの卵の直径はおよそ100μmです。海水中に放出させた卵に精子を加えるだけで受精させることが可能で、受精卵が細胞分裂を繰り返して成長していく様子を比較的容易に顕微鏡で観察することが出来ます。受精から2日間ほどでプルテウス幼生となり、1ヶ月ほどでミニチュアの稚ウニに変態します。
ウニは卵から受精、発生、幼生となる美しく神秘的な発生の一連の過程が自分の目で体験できる、貴重な生物なのです。
(山田 康雄記)